天野 暢子 
 天野 暢子
 (nobukoamano)

【第9回】プレゼンのお医者さん

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多くの症例にあたる人が腕を上げる

 

先日、ある企業で作られたプレゼン資料を大量に見せていただきました。私が担当する研修では、その企業で実際に使われているデータを題材に、問題点や改善後の資料をスクリーンに投影して進めていくので、そのために準備してくださったのです。

 

ご担当者に「多くの実データにあたることで私の実力が上がっていくので大変助かります」とお礼を言っていて気づきました。より多くの患者さんを診察し、手術する。つまり臨床経験が豊富なお医者さんはますます腕が上がっていくのに似ていると。

 

天皇陛下の心臓手術を担当された先生は「腕がいい→手術希望が増える→多くの手術を手がける→さらに腕が上がる」を繰り返してこられたのでしょう。私の仕事もまさに「プレゼンのお医者さん」だと思いました。いいもの悪いもの含め、多くの例にあたってきたからこそ、プレゼンテーションのノウハウが蓄積。何をどうすべきか瞬時に判断できるようになってきたのです。

 

 

一度見たものなら記憶に残っている

 

プレゼン・コンシェルジュの私が皆さんと異なる点があるなら、それはプレゼン資料に触れる機会の圧倒的な多さでしょう。今回のように、1社から何十というデータを見せていただくこともあれば、雑誌の「いい資料・悪い資料」の特集で講評するために、編集者の方が多くの企業からかき集めて見せてくださるようなこともありました。1社の社員さんの資料を何十人分と預かって添削するようなこともあります。

 

機密保持契約を交わすことがほとんどなので、私が拝見した資料を何かに活用することはできませんが、いただけるものならほとんど保管してあります。本はいつでも買えるので売ったり捨てたりしてきましたが、実際のビジネスで使われた資料類はお金を出して買えるものではありません。ですから、ファイリングしてほとんど保管しています。要返却と言われても一度見たものは自分の頭の中に残っているので、実物が手元になくても安心してください。

 

私の本棚には、古くは新卒で入社した広告会社の新入社員研修のテキストや過去に勤めてきた企業の資料や販促物もありますし、先日小学校の時の生活ノート(連絡帳)まで出てきたほどです。これらの資料はファイルに入れ、背表紙をカラーで色分けしたタイトルをつけて整理・保管しています。ここまできたら立派な“資料マニア”ですね。私は図書館の司書になるべきだったのかもしれません。

 

本は捨てても資料は捨てられない

 

 

“悪い資料”こそコレクションを

 

ところで、後々の参考のために資料を集めて保管しておくというと、「よい例」だけを思い浮かべられる方がほとんどですが、ぜひ「悪い例」も残しておいてください。「よい例」なら一流企業のホームページに公開されているデータをダウンロードするなどして、実は入手が簡単ですが、「悪い例」はなかなか手に入るものではありません。

 

「悪い例」を手元に持っておけば、なぜこれが悪いのか、ダメなのかを考えるきっかけになり、よいプレゼン資料への改善に結びつきます。

 

●「よい資料」、「カッコイイ資料」、「マネしたい資料」…

●「悪い資料」、「ダメな資料」、「ゴミ箱行きの資料」…

 

さまざまな資料をストックしてアナタのプレゼンを“改善”していきましょう。

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