長北 健嗣 
 長北 健嗣
 (kenjinagakita)

【第8回】五感フル活用で表現力アップ!

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こんにちは。コンセプトライターの長北です。

前回は、エピソードを利用した簡単なストーリーの作り方をご紹介しました。ご自身が手がける商品やサービスにまつわるエピソードをふくらませて、楽しいストーリーを作っていきましょう。

 

 

五感を制する者は文章を制す?!

 

さて、今回は、文章の制作に欠かせない“表現のバリエーション”をご紹介します。「それって、いろいろなタイプの文章を作るってこと? テクニックの話は、まだちょっと早いなあ…」とおっしゃるあなた。ご安心ください。その昔、国語の授業で教わったような、いわゆる“作文技術”はもちろん有用です。でも、その前に、皆さんにぜひ知っておいてもらいたい重要事項があるんです。

 

その重要事項とは、ずばり“五感”。言うまでもなく、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のことです。実は「五感を制する者は文章を制す」と言っても過言ではありません。テクニックに走る前に、まずは表現としての五感の重要性について考えてみましょう。

 

同じ言葉を見たり聞いたりしても、人によって連想する内容は違います。「え!? そんなバカな。だって、海っていったら海でしょ」。おっしゃるとおり、海といったら海です。でも、それは言葉の定義の話。私がいまお話しているのは、“海”という言葉を聞いてなにを連想するか、ということです。

 

では、試しに、あなたは“海”という言葉からなにを連想しますか? 考えちゃダメ。パッと思い浮かんだものでけっこうです。「考えるな、感じるんだ(Don’t think.Feel!)」と、ブルース・リーも言っています (笑)

 

 

あなたの頭に浮かんだのは、「青い海面」や「白い砂浜」でしょうか? それとも「打ち寄せる波の音」? あるいは「足に触れる波の冷たさ」や「強い日差し」だったでしょうか?

え?「海の家の焼きそばの匂い」ですか? う〜ん、美味しそうだけど・・・(笑)。

このように、聞き慣れた言葉でも連想するものは人それぞれなんですね。

 

ちなみに、「青い海面」や「白い砂浜」は視覚、「波の音」は聴覚、「波の冷たさ」や「日差し」は触覚、「焼きそば」は嗅覚に分けられます。あなたはどの感覚で真っ先に想像しましたか?

実はこの“真っ先に想像した感覚”があなたの傾向でもあるんです。たとえば、「白い砂浜」をパッと思い浮かべた人は、視覚に重点をおく傾向にあります。「波の音」を連想した人は聴覚に重きをおく傾向ですね。「焼きそば」は・・・、もれなく全員に当てはまるでしょうか(笑)。

 

五感の傾向を知っておくと、自分がどのような文章に反応しやすく、また、どのような文章を書きがちなのかがわかるようになります。さらにいえば、相手の傾向に応じて文章を書きわける、なんて高度な技もありますが、それはまたいずれお伝えすることにします。

 

 

五感ワードを使えば、イキイキとした文章に!

 

真っ先に反応する五感のタイプが違うのはひとそれぞれ。言いかえれば、いろいろなタイプの表現をちりばめておけば、より多くの人に反応してもらえる文章ができあがる、ということです。いろいろなタイプの表現といっても難しく考える必要はありません。普段、友人との会話で使っているような表現を、そのまま活用すればOKです。

 

と、あらためて言われてもすぐには出てこないかもしれませんね。

少し例をあげてみましょう。

 

・視覚…キラキラ光る/見渡す限りの/真っ赤に燃えた/パッとひらけた

・聴覚…繰り返す波の音が聞こえるような/鳥のさえずりが聞こえてきそうな

・触覚…ゆったりとした/ひんやりとした/ぽかぽかと暖かい

・嗅覚…香ばしい/さわやかな/ほのかな/新緑のような

・味覚…ほろ苦い/刺激的な/フルーティーな/すっきりとした

 

「なーんだ、こんなことか」と拍子抜けした方もいらっしゃるのでは。そう、こんなことを付け加えるだけで、文章がイキイキしてくるんです。やらないテはありませんよね。

 

では、実践です。

前回、少しキチンと作ったコーヒーショップのセールス文を思い出してみてください。

 

『当店のコーヒーは、ベネズエラから直輸入の新鮮な豆を毎日自家焙煎。奥飛騨の清流でご注文ごとに1杯ずつ丁寧に淹れています』

 

前回はこの文章にエピソードを加えてアレンジし、ストーリーに仕立てました。今回は、五感に訴える表現を使って、より直接的な文章にアレンジしてみましょう。

 

『当店のコーヒーは、刺激的なほろ苦さの中にさわやかでフルーティーな香りを楽しめるのが特長です。見渡す限りのコーヒー畑が広がるベネズエラの農園から、燃えるように赤い新鮮な豆を直輸入しています。毎日じっくりと自家焙煎し店内が香ばしい匂いに満ちた後、鳥のさえずりが聞こえてきそうな奥飛騨の森で、こんこんと湧き出ている清流を使い、ご注文ごとに1杯ずつ時間をかけて丁寧に淹れています。どうぞゆったりとお楽しみください』

 

う〜ん、これはちょっとやりすぎですよね。削りましょう。

 

『当店のコーヒーは、ほろ苦さの中にフルーティーな香りを楽しめるのが特長です。見渡す限りのコーヒー畑が広がるベネズエラの農園から、燃えるように赤い新鮮な豆を直輸入しています。毎日じっくりと自家焙煎した後、奥飛騨の森でこんこんと湧き出ている清流を使い、ご注文ごとに1杯ずつ時間をかけて淹れています。どうぞゆったりとお楽しみください』

 

このくらいがよさそうですね。

もともとの説明的な文章をベースに、五感に訴える言葉を付け足すだけで、表現の幅がグンと広がります。セールストークにも流用できますから、ぜひ準備しておきましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回は、ちょっとした工夫で訴求力がアップする言い換え法をご紹介します。

 

では、また来週お会いしましょう!

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