長北 健嗣 
 長北 健嗣
 (kenjinagakita)

【第10回】“たとえ力”を磨いて印象に残るコピーを作ろう-2

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こんにちは。コンセプトライターの長北です。

前回は、モノゴトをたとえる力=“たとえ力”の効果について説明しました。“コーヒー豆くん”のコピー、覚えてますよね。まずは、手近なモノをヒト化したり、身近なヒトをモノ化したり、あだ名をつけてみたりして、“たとえ力”を磨きましょう。

 

 

“たとえ”にはわかりやすくする効果あり

 

さて、今回は“たとえ力”の2回目です。“たとえ”には、読んでいる人に親しみを持たせて、強い印象を残す力があるのは前回説明しましたが、実は“たとえ”にはもうひとつ効果があります。

 

それは、モノゴトをわかりやすくする効果。

 

相手が真剣にあなたの話に耳を傾けているわりに、どうもノリが悪い、いまひとつ腑に落ちていないみたい、と感じることありませんか?

そんなときに、ぜひ使ってほしいのが“たとえ”です。

 

実はこの手法、誰もが普段から半ば無意識のうちに使っているのです。

たとえば、小学生のお子さんに算数を教えるとき。

 

母:「2×3は、いくつかな?」

子:「えっと、2が3つあるってこと?」

母:「うーん、たとえばさ、ガリガリ君を両手に持っているお友だちが

3人いたとするでしょ。ガリガリ君、全部で何本あるかな?」

子:「えとね、…6本!」
母:「正解!」

 

 

こんな感じで教えたり、教わったりした経験はだれにでもありますよね。これが、モノゴトをわかりやすくする“たとえ”です。相手にわかりやすいイメージに置きかえてあげるのです。ちなみにガリガリ君の話は、近所の公園で耳にしたもの。微笑ましいですよね。

 

イメージしづらいモノやコトを、身近なものに置きかえてわかりやすくする方法は、もちろん大人にも有効。実際、あちらこちらで使われています。たとえば、初心者にパソコンを説明する際、メモリを「作業机」、ハードディスクを「本棚」、フォルダを「机の引き出し」などにたとえたりします。

 

 

誰でも知っていることに“たとえ”る

 

当然のこと、“たとえ”にルールはありません。ただし、注意すべきことがひとつだけあります。それは、“誰でも知っていることにたとえる”ということ。言いかえれば、“人が知らないことにたとえちゃダメ”なんです。「そんなの、当たり前でしょ」と思っていても、意外と落とし穴にズボッとはまってしまうもの。

 

私たちには、なぜか、自分の好きなものや得意なことにたとえてしまう、という妙なクセがあります。これが落とし穴。なんだかよくわからない“たとえ”をされて、かえって頭の中が「?」になってしまった経験ありませんか?

 

たとえば、会社のA課長が新しいプロジェクトチームの役割分担を説明する中で、

「えーと、まあ、Bくんは先発、Cくんは中継ぎ、で、Dさんは抑え、みたいなもんだな。じゃ、よろしく!」

 

A課長が言いたかったこと、わかりますか? 野球を知っている人ならイメージがわくかも。でも、野球に興味がなければ間違いなく「?」でしょう。おそらく、ウチの奥さんもNG。「わかんない!」と怒られますね(^^; 相手にわかってもらうために、わざわざ“たとえ”ているのに、これでは意味がありません。

 

では、どうすればいいのか。わかりやすく“たとえ”るには、お子さんやお年寄りにもわかる表現を心がけること。たったこれだけです。

 

 

では、さっそく実践してみましょう。

今回も恒例(!?)のコーヒー豆を題材に、コピーを作ります。

元の文はこうです。

 

「私は理想のコーヒー豆を探すために、年1回、中南米を2週間ほど旅しています」

 

店主のケンは、コーヒー豆にこだわるあまり、毎年、地球の反対側まで出かけていっちゃうんでしたよね。核になるのは“こだわり”。これをイメージさせるワードを探し出します。ワード探しは連想ゲームでいきましょう。

 

 

“こだわり”を実現するには、いろいろと苦労がありそうです。山あり谷あり、困難をものともせず、理想を求める姿がイメージに浮かびますね。たとえば、「宝探し」なんてどうでしょう?

 

「私にとって理想のコーヒー豆を探すのは宝探しのようなものです。出会いを求めて

年1回、中南米を2週間ほど旅しています」

 

もう少しスッキリさせたいですね。主語を取って、イメージを一般化します。

「理想のコーヒー豆を探すのは宝探しのようなもの。出会いを求めて年1回、中南米を

2週間ほど旅しています」

 

さらに手を入れてカッコよくしちゃいましょう。

「コーヒー豆の探求は宝探しのようなもの。理想の出会いを求めて、毎年中南米を

旅しています」

 

このように“たとえ”には、テーマを強調=カッコよくなる効果も期待できるんです。

 

 

さて、今回は特別に“裏技”も伝授しておきましょう。

万人にわかってもらうため、誰でも知っていることにたとえるのが、“たとえ”の法則。

これを逆手にとれば、特定の人にだけわかってもらうための“たとえ”になります。

 

そのためには、あえてマニアックなワードを使うこと。

たとえば、

「コーヒー豆の探求は新世界を目指し航海を続けるようなもの。

サウザンド・サニー号、面舵いっぱい!」

なんて書いたら、ワンピース好きの方々に刺さること間違いなしかも!?

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また来週お会いしましょう!

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