長北 健嗣 
 長北 健嗣
 (kenjinagakita)

【第12回】ことわざ・タイトルがオリジナルコピーに変身!

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

こんにちは。コンセプトライターの長北です。

前回は、“名言”の持つ力を借りて、納得感の高いコピーを作る方法をお話しました。日頃から、グッときた名言や名セリフをストックしておけば、作文に困ったとき、すぐに役に立ちますよ。

 

 

“ことわざ”や“名作タイトル”を手軽に活用

 

“名言”を借りるとは、つまり、文言には手を加えず、出典を明らかにした上で、そのまま使わせてもらう方法でした。ただし、この方法は“名言”のストックがあれば、すぐにコピーが作れるものの、困ってから探すとなると意外と手間がかかることがあります。

 

ピッタリくる名言がすぐに見つからないときは、「適当な名言に手を加えちゃえばいいのでは?」と考えたあなた、その通り!ぜひチャレンジするべきです。

 

一方、「名言に手を加えるなんて無理。そもそも、適当な名言も見つからないし」という方でも大丈夫。 “名言”よりもっと身近な“ことわざ”や“名作タイトル”を活用すればいいんです。

 

実はこの方法も、私たちは普段からやっています。無意識のうちに、と言ってもいいくらい日常的なレベルで。よく「〜をもじって」と言いますよね。“もじる”は、聞き慣れた言葉を言い換えること。“駄洒落”や“言葉遊び”といえば、よりわかりやすいかもしれませんね。

 

でも、話す場合には使い慣れているけど、書く場合にはちょっと不慣れ、という人が大半なのも事実。おやじギャグなら次々と口をついて出てくるのに、いざ文章を書くとなるとどうにも堅い、フリーズしてしまうという方、よくいらっしゃいますよね。

 

それはなぜなのでしょう? いくつかある要因のなかでも大きなウエイトを占めているのが、「文章はキチンとしたものを書かねばならない」という作文・論文の思い込みと言えるでしょう。

 

でも、考えてみてください。論文みたいな立派な自己紹介や説明文なんて、そうそう読みたくはありませんよね。むしろ、文字・活字だからこそ、頬がゆるむようなウィットに富んだものが読んでみたいと思っているはず。私はそうです。

 


 

 

活用のポイントは“おやじギャグ”の心

 

“ことわざ”や“名作タイトル”をもじって使うことのメリットは大きく2つ。ひとつは、よく知られているだけに馴染みがよく、読み手に受け入れてもらいやすいこと。もうひとつは、「もじる」ことで読み手の心に「あれ?」という引っかかりを呼び覚まし、強い印象を残すことができることです。「くだらねー」と半ば呆れつつも、妙に頭に残ってしまうおやじギャグ、あれと同じ効果です。

 

とはいえ、わざわざくだらなくする必要はありませんよ。今をときめくあの大作家だって、軽妙なもじりを残しています。

 

『1973年のピンボール』(村上春樹)

→元ネタは『万延元年のフットボール』(大江健三郎)

 

こんな大胆な例もあります。

 

『世界の中心で、愛を叫ぶ』(片山恭一)

→元ネタは『世界の中心で愛を叫んだけもの』(ハーラン・エリスン)

 

最近では、某携帯電話会社の『龍馬の休日』(元ネタはもちろんおわかりですね)などがあります。

 

では、お約束となりました“コーヒー”をお題に、もじりを展開してみましょう。

 

『BALLAD 名もなきコーヒーのうた』

『コーヒーの季節』

『人生は短く、コーヒーの道は長い』

『井の中の蛙、コーヒーを知らず』

『コーヒーだもの』etc.

 

あまりやり過ぎると怒られそうなので、このへんで。私の迷作はともかく、既存のことわざやタイトルをもじって、あなたの手がける商品やサービス名などを入れ込むと、意外に面白いものができるはずです。キャッチコピーは目にとまってナンボ。おやじギャグを量産するように、迷わず書いていきましょう。

 

 

最後に、私がこれまで出会ったコピーの中で、いろいろな意味でショックを受けたものをひとつお伝えしましょう。

 

『国破れてサンガリア』

 

コピー自体にもぶっ飛びましたが、元ネタ『国破れて山河あり』が本当に社名(サンガリア)の由来だと知った時はさらに驚きました。この会社の社長さんに、ぜひお会いしてみたいです(笑)。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また来週お会いしましょう。

 このエントリーをはてなブックマークに追加
                       
< このカテゴリの前の記事
    
HOME│      このカテゴリの次の記事 >