夏川 賀央 
 夏川 賀央
 (gaonatsukawa)

【第1回】なぜ一作家が、「電子出版サイト」をつくったのか?

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皆様、こんにちは。夏川賀央です。

 

私は現在、作家としてすでに23冊の本を世に出しています。もちろん引き続き、本は出し続けていくのですが、昨年の11月からは「賢者の書店」というサイトを通して、電子出版のビジネスも始めました。作家として、まあ変則的なことなのは確かでしょう。

 

一体なぜ、そんなことを始めたのか?

一体どんなメリットがあるのか?

果たしてそれは、ブログ読者の皆様にとって価値のあることなのか?

 

実は日本に住む誰にとっても、非常にメリットのあることと思っているのです。このブログ連載を通しては、それをうったえ、新しい「自己発信術」を提唱していくつもりです。

 

 

「はじめて本を出したい人」には厳しい時代

 

まずどうして私が、電子書籍のサイトをつくったのか? まずはその経緯から述べさせていただきましょう。それは私が大学卒業後、一貫して携わってきた「出版」という仕事に関連しています。

 

ご存じのように現在は出版不況といわれる時代、業界は大きな転機を迎えています。その中で難しくなっているのは、「新しい著者の本を出す」ということ。

 

つまり出版社としては、点数をあまり出すわけにいかなくなってきた。そのなかで確実に売れるものを目指さなくてはいけない。だから極力、実績のある人の本をつくろう……ということになってくる。

 

昔と違って、現在は売れる本のデータが非常にとりやすくなっています。このデータには実は問題もあるのですが、それでも出版社の営業では指標にしやすい。世の流れではありますが、「これ、つくったら面白いかも」で作られてきた企画が、だんだんと「売れる可能性はどれくらいか」で作られるようになってきた。

 

すると「これから本を書きたい」という未来の作家さんや、あるいは「1冊出したけど失敗した」という作家さんには、非常に本を出しにくい世の中になってきているんですね。

 

 

「助っ人」としての電子書籍

 

私は現在も「編集者」として仕事をしています。「出版プロデューサー」という肩書を持っているのは、そのため。現在でも自分の本を書く以上に、実際は大量の「他の著者の本」をお仕事で手がけさせていただいています。

 

ただ「出版プロデューサー」というと、最近ではまた別のモデルが出てきました。それは「収益を著者から上げる分でまかなう」というスタイルですね。
もちろん、それを赤ら様に否定することはしませんが、私自身、出版の理想は古き近江商人の「三方良し」でありたいと思っています。

 

「売り手よし、買い手よし、世の中によし」。出版で言うなら、「作り手よし、書き手よし、読者によし」、さらに加えて「業界によし」です。

 

ビジネスモデルも崩れ始め、だんだんとジリ貧になってきつつある出版業界。電子書籍は「破壊者」にも「助っ人」にもなりえます。けれども「助っ人」を極力模索する形の、新しいコンテンツ販売……それが実験的に始めた「賢者の書店」に他ならないわけです。

 

もう少し、その当たり詳しい話を次回にはさせていただきましょう。

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