菅原茂夫 
 菅原茂夫
 (shigeosugawara)

【第2回】永遠の殴り合い

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こんにちは。

年中夢求の税理士・中小企業診断士の菅原です。

 

私は「年中夢求」をモットーとして、これからビジネスを始めたい!という方向けに起業支援や資金調達支援を行っています。特にスタートアップ時の資金調達支援ということで、日本政策金融公庫からの資金調達に特化し、これまで数百人の方の資金調達支援を行ってきました。

 

このブログでは、起業時に日本政策金融公庫から短期間かつ高い確率で資金調達できるようなさまざまなノウハウをお伝えしていきたいと思っています。

 

 

起業・創業時の資金調達

 

起業・創業するにあたって、すべて自己資金で賄うことができればそれに越したことはありません。しかし、そのような状況で起業・創業される方は非常に少ないです。

 

事務所を借りる際の敷金・保証金、パソコンや事務机、さらに自社ホームページなどといった、いわゆる「設備資金」だけでなく、売上が安定するまでの当座の「運転資金」など、必要な資金を積み上げて計算していくと、かなりの金額になります。

 

これらすべてを自己資金で賄えるとしても、それとは別に生活していくために、いくらかは別に確保しておく必要があります。自己の蓄えを100%ビジネスに投入することは非常に危険です。そうなると「何かあった場合」に備えて、あらかじめ資金調達しておくべきです。

 

中小企業の主な資金調達の方法として「金融機関からの融資」がありますが、その他に「出資」や「助成金」という方法が考えられます。今回は、このうち「出資」についてご説明したいと思います。

 

 

安易な出資は危険!

 

私の元には毎日何件もの問い合わせがあります。

「資金調達をご支援します!」と掲げているため、資金調達に関するご相談が主なものですが、このようなご相談も少なくありません。

 

「会社を設立したいのですが」

「それはおめでとうございます」

「それで、自己資金だけでは心配なので、いくらかは資金調達しておきたいのですが」

「そうですよね。保険という意味でも、いくらかは資金調達しておいた方が良いと思いますね」

「そこなんですが、金融機関から融資を受けると返済しないといけないですよね」

「もちろんそうです。借りたものは返さないといけませんね」

「返済するのは大変なので、同じく起業したいと思っている友人と、二人で会社を設立しようと思っているのです」

「なるほど。一人より二人の方が何かと心強いですよね」

「で、友人と○○円ずつ出し合って、会社を設立しようと思っているのですが、自分が代表取締役に就任していれば、特に問題ないですね?」

 

友人と資本金を折半して会社設立したいというご相談です。「問題あるか」ということですが、これは問題アリです。問題大アリです。

 

 

株式会社の最高意思決定機関

 

会社法施行により、株式会社は色々なバリュエーションの組織形態とすることができるようになりましたが、大まかに言って「株主総会」と「取締役会」の二つに大別されます。よく、代表取締役であれば会社を思うままに運営できると誤解されている方が多くいらっしゃいます。

 

たしかに代表取締役は株式会社の代表ではありますが、代表取締役は取締役会で決定され、その取締役は株主総会で決定されます。つまり、株式会社の最高意思決定機関は代表取締役ではなく、株主総会ということになります。

 

そして、その株主総会は多数決、つまり株式数(議決権数)で物事を決めることとなります。ご自身が100%の株式を所有し、かつ、ご自身が代表取締役に就任するのであれば、思うままに会社を運営することはできます。

 

しかし、上記のやりとりのように、友人と折半して株式会社を設立するような場合には相当の注意が必要なのです。

 

 

永遠の殴り合い

 

一緒にビジネスを始めようという時点では特にトラブルは起きないでしょう。しかし、ビジネスが進展するにつれて、意見の相違という場面が必ずやってきます。話し合いで解決できれば良いのですが、最悪、「金輪際、コイツとは一緒にやっていられない」と喧嘩別れするなんてことも良くある話です。

 

そこまで至らなくても、例えば、役員の選任・解任などで意見が分かれた場合、果たしてどちらに最終的な決定権があるかということになります。答えは「会社の株式を過半数所有している者」となります。

 

過半数、つまり50%超の株式を所有している者の勝ちとなります。50%以上ではありません。50%超です。ここで、先程のやりとりに戻りますが「友人と資本金を折半したい」ということは、どちらも株式を50%ずつ所有することを意味していることが多いです。そうなると、トラブルが発生した場合には、どちらも過半数を所有していないので、決着がつかないこととなります。

 

こうなった場合、最終的には弁護士の出番となるのでしょうが、これはまさに「永遠の殴り合い」です。ですので、友人・知人と共同して株式会社を設立する場合には、最低でもご自身で50%超、できれば2/3以上の株式を所有しておくことが必要なのです。

 

 

まとめ

 

友人・知人と対等の立場で会社を設立すること自体は特に問題はありませんが、出資となると話は別です。永遠の殴り合いといった最悪の事態に陥らないように、対等は精神だけにとどめておきましょう。

 

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