菅原茂夫 
 菅原茂夫
 (shigeosugawara)

【第3回】ベンチャーの資金調達が難しいワケ

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こんにちは。年中夢求の税理士・中小企業診断士の菅原です。

 

私は「年中夢求」をモットーとして、これからビジネスを始めたい!という方向けに起業支援や資金調達支援を行っています。特にスタートアップ時の資金調達支援ということで、日本政策金融公庫からの資金調達に特化し、これまで数百人の方の資金調達支援を行ってきました。

 

このブログでは、起業時に日本政策金融公庫から短期間かつ高い確率で資金調達できるようなさまざまなノウハウをお伝えしていきたいと思っています。

 

 

最近の廃業率>開業率の特徴

 

長年の経済不況の中、相変わらず廃業率が開業率を上回っている状況が続いています。しかし、ご存知の通り、会社法施行により法人設立が容易になったことから、新規設立法人数は高い水準を保っています。

 

それにもかかわらず、廃業率が開業率を上回っているということはどういうことなのでしょうか?答えは簡単です。マーケットに参入してくる人が増えたにもかかわらず、それを上回る退場者がいるということです。

 

昔は「株式会社は資本金1,000万円以上、有限会社は資本金300万円以上」というハードルが設けられていたため、現在ほど容易に法人を設立することはできませんでした。それが今では、10万円、いや1万円でも法人を設立することができるようになったのです。

 

そのため、新規に設立した法人で、資本金数万円というところは珍しくありません。

 

 

会社の運営がうまくいかなかった場合

 

私の元には毎日何件もの問い合わせがあります。資金調達に関するご相談が主なものですが、このようなご相談も少なくありません。

 

「会社を設立したいのですが」

「それはおめでとうございます」

「資本金は1万円でも問題ありませんよね?」

「そうですね。資金調達が必要でないのであれば特に問題ないと思います」

「ちなみに、資本金ってどういう意味ですか?」

「わかりやすく言えば、会社を解散しない限り手元に戻ってこないお金と思って頂ければ良いです」

「なるほど。それで、会社の運営に行き詰ったらどうなるのですか?」

「会社の運営に行き詰った場合、解散・清算という手続が必要となります。会社設立は簡単ですが、解散・清算となると期間も費用もそれ以上にかかりますよ」

「友人から『休眠すれば良い』と聞いているので、自分もそうしようと思っています」

 

 

法人の設立はいまやゲーム感覚?

 

このように、少額の資本金で法人を設立し、思うように売上や利益が上がらなかった場合、解散・清算といった手続をとらずに「休眠」とする方が増えています。

 

確かに、休眠という手続をとれば、解散・清算するわけではないので、いつでも復活することができます。再度、法人を設立するコストや手間を省くことができます。

 

しかし、青色申告などといった税務上の恩典を維持するためには、毎年の申告だけは続けておく必要があります。ですので、休眠にしたらしたで、それなりの手間はかかるのですが、それでも休眠を選択する方が増えています。

 

そう、まるで「思うようにいかなかったらリセットボタンを押せば良いや」と言わんばかりです。テレビゲームであれば、リセットボタンを押せば初めからやり直すことができます。しかし、会社運営はテレビゲームとは違うのです。

 

 

ベンチャーの資金調達が難しいワケ

 

こういう方が増えてきたことは、当然、資金調達といった点に少なからず悪影響を与えています。金融機関にとって融資はビジネスの一つです。融資するにあたり「担保もしくは保証」が原則ではありますが、中には「無担保・無保証」といったものもあります。

 

最終的には何とかして回収できるように努力はするのでしょうが、まず、融資の入り口の段階で「ベンチャービジネスはいつ、いなくなるか分からない」と思っていることが多いのです。

 

金融機関にそのような先入観を与えてしまっている原因は何でしょうか?

そうです、先輩のベンチャー起業家なのです。もちろん、素晴らしい業績を成し遂げている方もいらっしゃるのでしょうが、その一方で、安易にマーケットから退出してしまう起業家が多いという現実が、金融機関にそのような先入観を与えてしまっているのです。

 

まさに、ベンチャーの資金調達を困難にしている原因の一つは、同じベンチャーなのです。

 

 

まとめ

 

ビジネスを始めるきっかけの一つとして「社会貢献」を挙げる方も多くいらっしゃいます。自分で稼いだ利益を社会に何らかの形で還元することは立派な社会貢献ですが、その後に続こうとしている後輩の起業家のために、ベンチャービジネスの社会的信用を上げる責任も有しているということは忘れないで下さい。

 

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