夏川 賀央 
 夏川 賀央
 (gaonatsukawa)

【第10回】お店の商品を本にする〜プリザーブドフラワーの場合

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皆様、こんにちは。夏川賀央です。

いままでは電子出版のコンセプトであるとか、企画の立て方など概論的なことをお話ししていました。

 

では、具体的に電子出版はどのようにできるのか? 様々なパターンはあるかと思いますが、今回からはいよいよ各論として、具体的な本を取り上げ、本づくりの手順や考え方、また電子本を通したマーケティングなどを考察していきたいと思っています。

 

 

なぜプリザーブドフラワーの本をつくったのか?

 

じつは賢者の書店では、12月3日に、新しい本が発行になっています。

中井結未衣さんの『あなたの気持ちを花で贈るプリザーブドフラワーの選び方』という本ですね。こちらで購入できますよ(笑)http://kenjabook.jp/library/pg104.html

 

本の内容紹介はここで詳しくしませんが、中井さんはそもそもプリザーブドフラワーのオーダー商品と、「花グラッチュ」という通販サイトを立ち上げて活躍している起業家でいらっしゃいます。

 

プリザーブドフラワー……男性にはチンプンカンプンの方もいるかもしれませんが、簡単に言えば「加工した花」を使ったフラワーアート。生花よりずっと長く持ちます。まあ私ももとは「それ何?」だったのですが、賢者の書店のエディターをしている女性が趣味にしていることもあり、その世界観は「面白いな」と思っていました。

 

たとえば花を箱庭のようにして人形を配置したり、本書にも紹介されていますが、ファッションアイテムや貴金属、あるいは時計などと組み合わせたり……と、通常のフラワーアートよりも創作性の広がりがあるわけです。だから作品を並べるだけで、キレイな写真集ができるとともに、これがアイデア集にもできるような面白さがある。

 

しかも中井さんは、花グラッチュで「用途に応じたプリザーブドフラワーの選び方」という項目をもうけ、たとえば「好きな女性にプレゼントするにはどんなフラワーアートがいいか」とか、あらゆる冠婚葬祭、また「元気づけたいとき」とか「心を癒したいとき」など「相手の気持ちに相応しい花」の提案も行なっています。

 

するとこれは一種の知識提供であり、ノウハウを教えることにもなる。そうすると読者にもアピールすることができますから、本としての魅力になるな……と。そういう判断で、今回、本の出版を提案したわけですね。

 

 

商品が「本化する」ことの可能性!

 

本をやろうと決めた。でも実際に書くのは大変ではないか?

この本の場合、じつはそれほど難しくありません。どうしてかといえば、ほとんど素材は、お店で現在売っている「商品」の写真になるわけです。あとはそれの詳しい解説を一つひとついただけばいい。

 

むろん、やはり値段をつけて売るわけですから、付加価値をつけるためのさまざま工夫はしてくださいました。

 

たとえば本書には「色で贈るプリザーブドフラワー」という項目がありますが、こちらはカラーコンサルタントとして活躍している、ためがいあけみさんが監修してくださった本格的な内容。「相手がこういう気持ちのときは、こういう色の組み合わせでお花を贈れば喜ばれる」と、普通にお花屋さんで花を買うときにも使えるノウハウです。

 

それだけ盛り込んで399円ですから、別に本書をちゃんと読まなくても、スマホなどにダウンロードしておけば、お花を買うときの参考にできる。また、お花が好きな方であれば、時間が空いたとき写真だけパラパラとめくって心を癒すアイテムとして使えるわけですね。

 

むろん、そういう本ですから、大量に売れるということはないし、売れても399円ですから大した利益にはなりません。

 

ただ本を愛読してくださった方が、プリザーブドフラワーのファンになり、たとえば通販サイトで花を買ってくださる。あるいは「アレジメントを習おう」と入門してくださる。そうでなくても世にもっとプリザーブドフラワーを認知させるきっかけの一つになれば、著者としてのメリットは大きいわけです。

 

じつをいうと、本人のブログでも紹介されていますが、いま中井さんは千葉の館山に「バラの学校」という無農薬のバラ農園をつくり、さまざまな関連事業を始めています。そうすると「著者」としての魅力もこれから期待できる。電子出版もそのための足がかりになればいいな……と考えているんです。

 

実際、我が社で制作料をもらっているわけではないし、極端にいってしまえば、「すでにサイトで出しているコンテンツ」を改良して本にしたわけですから、著者の負担はかなり少なくて済む。なおかつ読者に喜ばれ、また宣伝材料の一つになれば、メリットはあれど、デメリットはほとんど存在しないわけですね。

 

むろんこれは「出版社につくってくれ」といっても実現しにくい企画。自費出版の世界になってしまいます。電子出版だからこそ実現する新しいコンテンツの形態なのではないか……と私は思っています。

 

 

 

 

 

 

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