天野 暢子 
 天野 暢子
 (nobukoamano)

プレゼン・コンシェルジュの「伝え方教室」【第12回】陳情と請願

このエントリーをはてなブックマークに追加

前回(http://gufo.roobikhouse.com/20131003/20343.html)紹介したマダムと議員会館での陳情打ち合わせに同席したプレゼン・コンシェルジュ、天野暢子です。政界への働きかけこそ究極のプレゼンテーションだと考え、「一緒に行く?」という友人にお供してきました。


■永田町ルール
今回は友人の子どもがかかっている難病「トゥレット症候群」という文言を法律に含めてほしいという法改正に向けた相談です。

族議員という言葉がありますが、その分野を担当する国会議員から国会に出してもらう必要があり、彼女が数年前から付き合いのある厚労族の参院議員の先生の部屋を訪ねました。

実は私が東京で初めて勤務したのは永田町で、国会や衆議院議員会館、個人事務所などは親しみのあるものでしたが、新しくなった参議院議員会館に入るのは初めてのことです。

“センセイ”は多忙のため、事前に政策秘書の方に相談します。アポイントをとって、入館手続きをとる、有名店の和菓子を差し入れるほか、永田町ならではのしきたりがあります。「ちょっとどうにかしてよ、センセイ」と好きな時に行って大声を出してくるわけにはいかないのです。

センセイ方の控室にあたる参議院議員会館

センセイ方の控室にあたる参議院議員会館


■請願には時間がかかる
私のこれまでの人生で政界に働きかけるような事案がなかったので知りませんでしたが、「陳情」「請願」はずいぶん異なるようです。政策秘書は歩く法律辞典のように、聞くことすべて即答してくださいます。

分かりやすく説明すると陳情は口頭レベル、請願は文書によるものという区別があります。当該の先生に連絡がつき、面会の段取りがつけられたら陳情はできますが、請願の多くは署名もつけられており、それを集めるのに時間がかかり、締め切りもあるとか。

さらに、一度却下されたら、「○年度に却下された事案」という注釈がついて資料が回されるので、提出するのは実質1回限りという慣例もあるそうです。

友人はNPOや区議などから、これらの情報を事前に知っていましたが、私は全く知りませんでした。私は政治家や活動家にはなれそうにもありません。

各部屋にカメラ付きインターホンあり

各部屋にカメラ付きインターホンあり


■署名は選挙区ごとにまとめる
“そうか、法改正に向け、政界に働きかけるとは、スケジュールや法律、制度をこんなに把握してないと無理なのか”と勉強になりました。

秘書さんから聞いて“なるほど”と思ったのは署名の出し方です。

「500筆が悪くて3万筆が偉いということはないが、重要なのはまとめ方。選挙区ごとにまとめてあれば、先生方の役に立つのでありがたい」
(…署名一人分は筆<ひつ>と数えると初めて知った私)

広島1区選出の先生には広島1区の署名の束を見せつつ、全体の署名を渡すというわけです。うーむ。

これまで私も「相手のメリットは何か?を考えて、相手がうれしいものを出す」「補足資料は別途出す」などのアドバイスは繰り返ししてきましたが、そこまでの配慮はできていなかったと思います。

ゆとりがありすぎる廊下

ゆとりがありすぎる廊下

 
今回の一連の動きは、日本の法律の一部を変えるというゴールに向けたプレゼンテーションにほかなりませんが、そのための準備やスケジューリング、心配りとはこのように高度なのです。

私たちのプレゼン準備はまだまだ十分ではありません。

 このエントリーをはてなブックマークに追加
                       
< このカテゴリの前の記事
    
HOME│      このカテゴリの次の記事 >