天野 暢子 
 天野 暢子
 (nobukoamano)

プレゼン・コンシェルジュの「伝え方教室」|【第24回】小保方論文がNGなワケ

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STAP細胞の論文の真偽をめぐる論争を静観しているプレゼン・コンシェルジュ、天野暢子です。反論会見はテレビで生中継され、いろんなコメントが寄せられていますが、私は別の見方をしています。


小保方さんは“ほら吹き科学者”?


試験管私は科学者、研究者ではないので、細胞がどのようなものかさっぱり分かりません。けれども、一連の発表がまったくのでっち上げだとも考えていません。

修士・博士の大学院、ハーバード大学での研究が認められて、理化学研究所に就職できたのでしょうし、その中でも一定の成果があるからこそ予算やスタッフがついて研究ができたのだと思います。

ただ、素人ながら不思議だったのは、20代で学位をとった研究者が正式な就職ができるのは珍しい。
仮に彼女が新細胞の発見をしたとしても、普通は上役の大学教授、上席研究員の手柄になるものです。
山中伸弥京大教授も、女性助手たちが支えた研究を、代表してノーベル賞を受賞していました。

小保方さんのような若い研究者がトップを務めるプロジェクトは極めて異例です。それでも勤務先の理化学研究所がこの研究は世界に発表すべきだと判断したのです。彼女個人が勝手に発表したわけではないので、組織の責任も大きいでしょう。

 

学会の条件を満たしていない


研究内容は素人が議論すべき問題ではありません。では何が問題かというと、論文や研究の体裁です。
今、同時に問題になっているのが、彼女の出身大学の博士論文です。

博士論文は大部分がアメリカの研究機関の論文と同じ文言だったそうです。学術論文では引用はしてよいし、むしろ引用のない論文は信用されません。けれども、必ず出典を明記しなければいけません。そこに引用の記載がないとなると盗用と言われても仕方がありません。

さらなる問題は、研究ノートが2冊しかない点。細胞の作製に200回以上は成功したというのが真実であれば、1回1ページとしても200ページはないとおかしいので2冊とはいかにも不自然です。

イマドキの研究者なので、ノートではなくパソコンでデータを保存していたというなら代わりになるデータファイルを見せればいいかもしれませんが、職場ではノートに記載するルールだったそうなのでそこが問題です。

研究、論文の記録~発表のルールを守らなければ、研究内容も成果もすべてが信用されないという悲しい結果になってしまいした。

 

条件を満たすプレゼン


このように公的発表には条件がつきものです。
私も公的機関の入札(コンペ)に何度か挑戦してきました。その場合はまず条件を提示した資料を何度も読みます。暗記できるほど読みこんで応募条件を確認していかなければなりません。

  • 提出の日時は?
  • 提出資料のサイズ、ページ数、部数は?
  • 必ず記載すべき項目は?

逆に自由に表現できる部分は何?
などを確認します。

例えば、”Wordで作成のこと”と明示してあるのに、PowerPointで作成すれば失格です。”プラスチックの表紙カバーは使用禁止”と書いてあるのに、カバーをつけても失格なのです。

入札やコンペだけではありません。懸賞やクイズに応募するにも、”官製はがきで”と書いてあるのに、私製はがきや封書で応募したものは失格となり、当選には至りません。

プレゼンテーションを通すとは、斬新なアイデアや提示金額も大事ですが、最も重要なのは先方の条件をすべてクリアすることです。

条件を読み込み、失格だけは避けましょう。
小保方危機を忘れるな!


 

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